そうは言っても

重箱の隅をつつくタイプのブログです

じゃがいもは出汁でゆでてから切る

 『暮らしの手帖』に「じゃがいもは皮つきのままゆでましょう」とあったのを読んで以来、じゃがいもは皮つきでゆでています。確かにゆでる前に向くよりも、芋の部分が無駄にならないし、味もいいのです。急ぐときなどは電子レンジであたためますが、鍋のほうが火が均一にまわって結果的には早くゆであがっている気がします。こうした工夫のおかげで、自家製ポテトサラダの味が年々向上しています。よいことだ。

 ……しかし人間の欲にきりはありません。もっと美味しく、じゃがいもそのままの味を楽しみたくなりました。そこでいろいろなレストランや居酒屋をめぐっていましたが、何年か前に金沢で究極のじゃがいも料理を発見したのです。

 それは川沿いの小料理屋で、魚料理を中心に出していました。しかしオススメはじゃがいもの煮付けだというのです。半信半疑で注文してみましたところ、たしかにおいしかった。一見、ただの冷えたじゃがいもの煮付けにしか見えません。でも一口食べると、香ばしい出汁の香りと、じゃがいもの甘みが広がります。

 これを家でつくりたくて、何度も試作しました。そこでできたのが下のレシピです。

1 じゃがいもはよく洗い、包丁で切ったりせずそのまま鍋に入れます。

2 じゃがいもが全部浸るように水をたっぷり入れます。

3 火にかけて煮ます。じゃがいも三つ程度なら、中火で15分程度です。竹串がなんの抵抗もなく刺さるようなったら、すぐに火を止めます。なるべく煮崩れさせないこと。

4 水に入れて冷まします。

5 皮をむき、一口大に切ります。

6 たっぷりの薄口出汁に浸して、冷蔵庫で寝かせます。だいたい三時間程度です。

7 出汁からじゃがいもを取り出して、水気を切り、完成です。

 これはそのまま食べても美味しいですが、ポテトサラダにしても美味しいです。この料理のポイントはゆでた後に包丁を入れることです。このおかげで口に入れた時の舌触りが良くなり、出汁の味を感じられます。